健康・農業関連事業研究所研究グループ(探索化学)
Health & Crop Sciences Research Laboratory Discovery Chemistry Group
雑草の生理機能をターゲットとした
除草剤の構造をデザインし、化合物を合成する
創薬科学研究科 基盤創薬学専攻
健康・農業関連事業研究所 研究グループ(探索化学)
経歴
2014年
健康・農業関連事業研究所 研究グループ(探索化学)
新規除草剤の探索研究
Q 住友化学を志望した理由について教えてください。
学生時代は、C-Hカップリング反応の開発やステロイドアルカロイドの全合成研究を行っていました。一度は大学に残りさらに深く勉強していく道も考えました。しかし、研究を続けるなら、「製品化され、世の中に使用される」モノに関わってみたいという思いが勝り、就職する道を選びました。
さまざまな研究分野がある中で、最も面白そうだったのが農薬の研究開発でした。農薬の研究では、虫・菌・草などに化合物を直接処理するin vivoでの試験が多いと聞き、化合物の効力が実際に目に見える点が興味深く思えたためです。就職先として当社を選んだ理由は、まず大手化学メーカーの中でも特に農薬に注力していたからです。また、世界規模で事業を展開していることも理由の一つであり、「自分で見出した化合物が世界規模で使用される可能性がある」ことが、私にとって大きな魅力でした。
Q 現在の業務について教えてください。
入社以来現在の部署に在籍し、農薬、特に新規除草剤の探索合成研究に携わっています。研究目標は、除草剤として優れた効果を持つ化合物を設計し、合成することです。
私たちのグループで合成された化合物は、生物研究者の手で性能評価が行われ、その結果を解析して新たに化合物を設計します。このサイクルを幾度となく繰り返し、より性能の高い化合物へと導きます。除草性能が優れたものが見つかれば、合成の規模を数グラム、数百グラム、さらに数kgスケールにまで拡大し、合成したサンプルを用いて国内外の圃場で性能評価を行うという流れで研究開発が進んでいきます。
Q 業務のやりがいを感じる瞬間はどんなときですか。
探索研究は仮説を立て、検証を行うことの繰り返しです。その過程では仮説のとおりにならないことも多々あります。置換基ひとつで効力が劇的に向上したり、逆にゼロになってしまったり、日々試行錯誤の連続です。
しかし、なかなかうまくいかないからこそ、考え抜いてデザインした化合物の効力が向上したときに、何物にも代えがたい、大きな手ごたえややりがいを感じます。
また検証の数を重ね、徐々に効力が向上していく過程でも、「このまま続けていればうまくいくかも」という期待や嬉しさ、高揚感を感じられます。
Q 仕事をする上で大切にしていることは何ですか。
「この分野なら自分」という代替のきかない専門性を持った研究者になりたいと思い、学生時代から研究を続けています。そのため、自分ならではの見方・考え方をしっかり持つことを大切にしています。農薬開発は、研究所内外のさまざまな研究グループと共同で取り組む業務が多くあります。議論する機会も頻繁にあり、異なるバックグラウンドの研究員との議論の中で自分をしっかり持って議論に臨むためには、有機合成だけでなく、幅広い知識が必要です。自己学習はもちろんのこと、勉強会の機会も設けて、知識の補完と蓄積を図っています。住友化学の研究員にはこのような方が多い印象です。自分もそういう存在でありたいと思い、現在進行形で精進している最中です。
Q 今後の目標について教えてください。
新しい除草剤を見出すことです。近年の規制の動向もあり、新規の農薬を世に出すことについて、年々ハードルが高くなっています。こうした難しい時代に新たな農薬を生み出すには、従来の農薬の研究スタイルを突き詰めるだけでなく、新しい切り口から研究にブレークスルーをもたらすことも必要です。
そのために、日々最新の情報に目を光らせるとともに、有機合成にとどまらず、幅広い分野の知識の習得に励んでいます。
Q 最後に、住友化学の魅力はどこにあると思いますか?
当社は、海外売上比率が6割以上というグローバル企業で、海外で働くチャンスも多くあります。このことは、日本にとどまらない仕事をしたいと考える方にとって、大きな魅力だと思います。私自身も、「自分で見出した化合物が世界規模で使用される可能性がある」と思えたことが大きな志望動機でした。また、実際に海外の圃場で大規模な試験を行っている様子を見ると、世界の食糧増産に貢献できるかもしれないと感じ一層研究に打ち込むことができます。
また、上司、同僚とのディスカッションは日常的ですし、学会など社外に出て知識を得る機会もあり、大学時代日々研究を行っていた部分と似たような空気もあります。研究者の方にとって、馴染みやすい会社ではないかとも思います。

One Day

    • 8:00

      出社、本日の予定の確認、実験計画の確認

    • 8:30

      実験開始

    • 9:30

      チームミーティング

    • 12:00

      昼休み

    • 13:30

      生物研究者と試験結果についてのディスカッション

    • 16:00

      実験進行状況確認、処理

    • 17:00

      同テーマの研究員と合成の進捗の共有

    • 18:00

      実験の片付け、次の日の実験計画を立ててから退社

    • 試験に使用する薬剤は多種多様。

    • チーム内の打ち合わせは頻繁に。

    • 合成した化合物を精製する実験。