Kさん
インタビュー
私は工業高校に通っていたこともあり、製造業に興味がありました。
機械や電気のことは勉強していたのですが、化学の知識はほとんどなかったので…正直不安もありました。ですが、募集要項に「機械・電気の知識があれば望ましい」と書いてあったので、思い切って面接にチャレンジしてみました。
面接で化学の知識がないことを伝えたところ、面接官から「誰でも最初は知識のないゼロの状態からスタートするものです。入社してから覚えていけばいいから、大丈夫ですよ」と言っていただけたので、思い切って入社を決めました。
入社後の研修では、先輩社員が丁寧に優しく作業を教えて下さったので、化学の知識がなくても安心してスタートを切ることができましたよ。
もちろん、工業高校で学んだ知識が全く役に立っていないわけではありません。工場内の設備のメンテナンス業務に、機械や電気の知識がしっかりと活きています!
有機ELパネルはスマートフォンやテレビなどの私たちの生活に欠かせない製品で使われており、自分が生産に携わっている仕事が本当に身近に感じられます。私は、製造オペレーターとして、指示書をもとに作業を行います。
指示書には原料の仕込みから、化学反応、後処理、完成品の充填までの工程が書かれてあります。その内容に従って弁の操作や液体の釜から釜への移し替えを行い、化学反応を起こしたり溶液を後処理したりしながら完成品を作っていきます。
スマートフォンやテレビなど、生活に不可欠な製品の原料を作っている、すなわち「ものづくり」の足回りを支えていることが誇りです!
大阪工場ではTPM(Total Productive Maintenance)活動という、生産システムの効率化を追求するための取り組みを実施しています。その中で私は製造オペレーターとして設備の自主保全活動に取り組みました。自主保全活動は、決められたステップで展開して行きますが、活動を重ね、綺麗になる設備を見るたびに愛着が湧いてきたことが、とても印象に残っています。
減圧ポンプ(反応釜を減圧して真空状態にする設備)の改善を任されたので、初めて減圧ポンプを使う人でも理解しやすくすることを目指して、さまざまな取り組みを行いました。
点検の順番がわかるように表示をつける、目安となる水位に表示をつける、どの減圧ポンプを操作すればどの釜を減圧できるのかを一目でわかるようリスト化する、などです。
先輩社員や上司など周りに支えていただきながら、自分が主体となって改善活動を1年間かけてやり遂げ、新卒の社員でも一目で使い方がわかるような状態を作り上げることができました。
現場で減圧ポンプを使う社員から「わかりやすくなった」「使いやすくなった」と言ってもらえたことが嬉しく、達成感も得られたので、自分の中で大きな自信となりました。
憧れている先輩のようになりたいと考えています。
ある日、先輩から指示書を渡され、すべての工程を一人でやってみるように言われたことがあります。突然のことでしたし、それまで一人で作業したことがなかったので非常に不安でしたが…。先輩から「後ろで見ているから、自分で思うようにやってみなさい」と言われ、勇気を出して作業に取りかかりました。
途中で何度も注意されましたが、作業を進めながらひとつひとつ丁寧に軌道修正していただいたので、正しい順序や作業内容を身体で覚えることができました。
思い返してみると当時は受け身の姿勢になりがちでしたが、あの日、主体的に作業を進めたことで、自分で考えて行動する姿勢を身につけることができました。
もしかしたら、先輩は私の受け身の姿勢が気にかかり、自分で考えて行動できるような方向に導いてくれたのかもしれません。
あの日教えてくれた先輩は、とても仕事ができて、リーダーシップのある方です。先輩のようになれるよう、背中を追いかけていきたいです。